日本の風習として、平安時代より存在し厄年という言い伝え。

産まれた時点を1歳とする数え年で、

女性は、19歳、33歳、37歳

男性は、25歳、42歳、61歳

女性の33歳(さんざん)、男性の42歳(しに)がそれぞれ大厄として最も気をつけなければいけない年齢とされています。

また、各厄年の前後を前厄・後厄とし、前後3年間は注意して過ごす必要がある、なんともしんどい風習が日本人の心には今もなお根強く残っています。

とくに、最近は晩婚化が進んでいるので、30代で出産を迎える女性も増えていることから、厄年と出産の悩みをお持ちの方が多くなりました。

今回は、そんな厄年と出産の関係について詳しく解説し、厄年と上手に付き合いながら安心して子供を授かる環境を整えてもらえたらと思っています。

そもそもなんで女性の厄年は19歳、33歳、37歳なの?

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さて、厄年については冒頭で簡単にご説明しましたが、そもそも女性の厄年は19歳、33歳、37歳と決められたのか。

男性に比べると厄年を迎えるのも、厄年が終わるのもかなり早いですよね。

これは、当時の日本人の寿命や女性の立ち位置というのが密接に関係しています。

昔は、およそ13歳を境に元服といって大人として認められ、女性の19歳頃は最も円熟した年齢。つまり出産適齢期とされていました。

そして、33歳になると、すでに子育ても一段落するタイミングで生活環境も変わってきます。

例えば、夫や子供が戦で命を落とす機会や嫁姑の問題が悪化する、また病気にかかりやすい年齢に差し掛かるため、30代に災いが集中するとされました。

とくに33歳は、一番大きな環境の変化を迎えることから大厄、つまりさんざんな一年とされたのです。

厄年に男の子、女の子どちらかを出産するかが大事!?

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昔から今に至るまで、新たな生命が誕生する出産、そして子供が成長するための育児は非常に大切されてきました。

そのため、安全や健康を神仏に祈る、子安信仰は当時は盛んに行われていました。

その風習の一つに、厄年に男の子を出産すると厄落としに、女の子を出産すると災いが起こるという言い伝えがありました。

男の子は世継ぎとして一番に考えられていた当時ですから、厄を振りはらってくれるエネルギーとして考えられていたようです。

なんとも男尊女卑の当時の日本を描いているようで現代にはまったく関係無いように思えますが、気にされる女性は少なくありません。

確かに、ただでさえ厄年で出産するのに、その上、女の子を産んだら不幸みたいなんて気分的に良いものではありませんよね。

でもご安心を。女の子は産まれてから「捨て子」という風習によって厄祓いをする儀式がきちんと用意されていたのです。

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女の子への厄祓い「捨て子の」風習とやり方とは

「捨て子」という表現も、ポジティブなイメージはありませんが、厳密に言えば「捨て子と拾い親」と言う儀式になります。

生まれた赤子を箕に入れて道祖神の前などに一旦捨て、事前に頼んでおいた他の家の人に拾い上げてもらうという捨て子の風習があった。赤子を捨てる場所は、道祖神のほか、寺・神社の前や集落の辻などであった。捨て子をするとその子供は丈夫に育つといわれ、特に親が厄年であったり、過去に子供の不幸があったりした人が行った。拾い手となった人(拾い親)と捨て子とは一生の縁となり、実の親と同様に付き合ったという。
これは、子を捨てることで一旦親子の縁を切り、親の厄が子に移らず無事に育つように願ったものと考えられる。

(引用:富士宮市のHPより)

このように厄年というタイミングでの女の子の出産は、親と子の永遠の絆を確かめることのできる儀式。また無病息災を願う人々の思いが子供に注げられることでした。

今もなお、日本人に根強く残る厄年という人生における3回の転機は、どうしてもネガティブなイメージばかりが先行します。

しかし、厄年の風習を理解していれば、このタイミングで授かった子供だからこそ、思いも一入(ひとしお)と言えるのではないでしょうか?