日本の夏の行事といえば五節句のひとつである七夕ですよね。

毎年、七夕の季節になるといろいろなところで七夕飾りがキラキラと輝いていて、とてもきれいです。

そんな、ある年の七夕の日、ふと息子に「七夕って何なの?どんなお話なの?」と聞かれたトクする君・・・

七夕の伝説って、そういえば詳しく知らないな^^;

「知っている範囲でひとつ教えると、もっと教えて!」と、たくさん聞かれてしまったため、この機会にとことん調べて見ました。

今回は七夕の発祥から、世界の七夕のお話まで、七夕にまつわる伝説について詳しく解説して参ります。

日本の七夕の発祥地はどこ?

七夕の伝説

七夕は中国を起源とした日本、韓国、ベトナムなどアジアで行われる節句の1つです。

日本には奈良時代から平安時代にかけて中国から伝わったとされていますが、

七夕の発祥地は交野が原(現在の大阪枚方市・交野市)と言う説が一般的となっています。(諸説あります)

平安時代初期の桓武天皇(在位:781~806年)は、この交野が原で北極星を祭り、国家の安泰を祈願し、狩猟を楽しんだといわれています。

『古今集』では、在原業平が惟喬親王の狩猟の供をした時に

『狩り暮し、棚機津女(たなばたつめ)に、宿借らむ、天の川原に、我は来にけり』

と詠んだ歌があり、この頃には行事として七夕が定着していると考えられています。

日本に伝わっている中国の七夕伝説について

では、そんな中国から日本に伝わった七夕伝説。

おそらくほとんどの方が子供の頃に親から、あるいは幼稚園(保育園)や小学校で聞いたことのあるお話です。

【中国から伝わった七夕伝説】

天を支配している神様には織姫という、神様の着物を作る仕事をしている働き者の娘がいました。

毎日、真面目に仕事ばかりしている娘を不憫に思った神様は、天の川の西に住んでいる働き者の牛使いの青年(彦星)を織姫と引き合わせることにしたのです。

すると、神様に引き合わされた二人は恋に落ち、夫婦になりました。

ところが、夫婦になった二人は遊ぶことに夢中になってしまい、全く働かなくなってしまいます。

織姫が働かなくなってしまったので、仕事道具である機織の機械には埃が被ってしまいました。

彦星が働かなくなってしまったので、飼っていた牛は痩せて病気になってしまいました。

そんな働かない二人を見ていた神様は、とても怒りました。

怒った神様は「このまま二人を一緒にしていてはいけない!」と考え、天の川の東と西で二人を離ればなれにしてしまったのです。

彦星と離れて暮らすことになった織姫は、毎晩のように泣いて暮らし、織姫と離れて暮らすようになった彦星は家の中にこもってしまい、牛の病気はどんどん酷くなっていきます。

困った神様は「二人が一生懸命働いてくれるのなら、年に一度だけ会わせてやろう」と、二人に言いました。

年に一度だけでも一緒にいたいと願った二人は、再会できる日を楽しみにして一生懸命働くようになるのです。

二人が会うことを許された7月7日の夜。織姫は彦星に会いに天の川を渡っていきます。

雨が降り、天の川の水かさが増すと、川を渡れない織姫のためにカササギの群れがやってきて、大きく広げた羽で天の川に橋をかけて織姫と彦星を会わせてくれるのでした。

このように、改めて調べてみると、1年に1回しか会えない儚い恋のイメージが先行しがちですが、

人間の堕落を律する意味も背景にあって意外と深い話なんだなあ、と違った角度で七夕を捉えることができて実に新鮮でした^^

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世界にまつわる七夕の伝説はどんな内容?

今回、七夕の伝説について調べて私も初めて知りましたが、実は七夕伝説は日本や中国だけでなく、世界中で語り継がれている伝説です。

さらに、地域によって七夕伝説の内容は異なり、それぞれの国柄が良くわかるような内容になっているんですね。

一例として、ここではギリシャとフィンランドの七夕伝説をご紹介します。

ギリシャの七夕伝説

ギリシャの七夕

琴の名手である青年は、妖精の少女と恋に落ちました。

一緒に暮らし始めた二人でしたが、ある日少女は毒蛇にかまれてしまい死んでしまうのです。

少女が死んでしまい悲しんだ青年は、天国の大王に一度だけ少女を生き返らせて欲しいと頼みに行くのですが、青年にはさまざまな困難が待ち受けていました。

やっとの思いで天国の大王に会うことができた青年は、大王に「地上に戻るまで一度も振り向いてはいけない」という約束が守れるのなら、願いを聞き届けてやると言われます。

絶対に振り返らないことを条件に、地上へと向かう青年でしたが、少女と再び合えるという喜びが溢れてしまい、大王との約束を破ってしまうのです。

すると、少女はあっという間に天国へと旅立ってしまったのです。

少女に二度と会えないことを悲しみ、嘆く青年が野山をさまよっていると、酒に酔った女性たちに琴を弾いてほしいと頼まれます。

しかし、悲しみで琴を弾く気になれなかった青年が、女性たちの頼みを断ると、青年は女性たちに殺されてしまうのです。

そんな二人を哀れに思った大王は、亡くなった二人の魂を星にして、年に一度だけ合えるようにしてあげました。

亡くなってから一緒にいられるようになるのは、ちょっと悲しいな、と思う伝説ですね。

フィンランドの七夕伝説

フィンランドの七夕

ズラミスとサラミという、とても仲の良い夫婦がいました。

やがて夫婦は亡くなってしまい、それぞれが遠い星になってしまいます。

しかし、星になっても一緒にいたいと願った夫婦は、自分たちのそばにある小さな星屑たちをたくさん集め、二人の間に大きく立派な橋ができます。

この橋を使って、二人は一緒にいられるようになりました。

このとき夫婦が作った橋が七夕に輝く天の川だといわれています。

亡くなってもまだ一緒にいたいと願う夫婦の愛に、ちょっとだけ鼻の奥がツンとしてしまいますよね。


上記でご紹介した2つの伝説については京都地主神社の情報を参考にさせて頂きました。

より詳しい情報を知りたい方は、ぜひ上記サイトも合わせてご覧くださいね^^

日本では誰でも知っている七夕伝説ですが、世界の七夕伝説を知ると、とても新鮮な気持ちになりますね。

私が小さいときは、雨が降ると織姫と彦星が会えないと祖母から聞かされていたので、七夕の日に雨が降るととても悲しい気持ちになっていたのを覚えています^^;

今回、七夕の事を調べる事によって、歴史もあれば世界中で語り継がれているメジャーな行事なんだなと感じました。

お子さんがいらっしゃるご家庭でしたら、ぜひ7月7日には七夕の伝説を子供にお話してあげてくださいね!