ここ数年、「ブダイ」という魚を食べて食中毒が起こるニュースを度々耳にします。

死亡するケースも記憶に新しいところではありますが、トクする君は鹿児島在住なのでブダイはスーパーでもよく見かけます^^;

ブダイといってもすべてに毒があるわけではないんですが、はたから見るとわかりませんよね。。。

そこで今回はブダイに関する基本的な知識から食中毒の危険性に深く迫ってみたいと思います。

ブダイ科の魚の種類と特徴

budai

ブダイは、声に出して読めば舌を噛んでしまいそうですが、スズキ目ベラ亜目ブダイ科の魚。

 
ブダイという名前の由来には、いくつかの説があり、身体が鎧を着た武士のようなので『武鯛』、ヒラヒラと舞うように泳ぐ姿から『舞鯛』、鯛に比べて不格好ということで『醜鯛』もしくは『不鯛』という説がある。

出典:ウィキペディアより

名前の由来は諸説あるようですが、鯛のような泳ぎ方をしているのに顔がブサイクだからブダイってちょっと可愛そうですね。

このブダイはあくまで総称する呼び方で、世界では約100種類、日本だけでも36種類もいることがわかっています。

基本的に暖かいところに生息する魚なので、日本では神奈川から西の太平洋側と九州・沖縄地方がメインとなっています。

とくに沖縄では食用として「アカエラブチャー」として呼ばれて広く一般的ですが、このブダイの種類はアカブダイになります。

いま食中毒で話題となっているのは、同じブダイはでも「アオブダイ」。

その名の通り身体は濃い青色をしたいかにも食欲はそそらないですが、またもや沖縄では「イラブチャー」と呼ばれて食べられていますが、

これは同じアオブダイ属でも、ヒブダイと呼ばれる種類です。

何がなんだかわからなくなってきましたよね・・・^^;

写真で見ると、違いがはっきりと分かると思います。

アオブダイ属アオブダイの写真

アオブダイ属ヒブダイの写真

出典元:WEB魚図鑑より

どちらも見た目はカラフルでいかにも南国っぽい魚ですが、捌いてしまえば白身なのでヒブダイもアオブダイも言われなければ分かりません。

そのため、知らず知らずの内にアオブダイを食べてしまって食中毒になるケースが多くなっているのです。

アオブダイに含まれる毒成分のパリトキシン様毒って?

fugu

さて、そのアオブダイに含まれている毒ですが、「パリトキシン様毒」が濃厚であると言われています。

いまだ詳細は研究中なのですが、このパリトキシン毒は主に肝臓に分布していますが最近では身の部分にも存在が確認されました。

この毒はハコフグの肝臓にも含まれている毒です。そう、ふぐといえば専門資格者でないと調理加工してはいけない食べ物ですね。

しかも一般的なフグの毒といえばテトロドトキシンと呼ばれる毒ですが、

パリトキシン様毒ははるかに強い毒性を持ちます。

それくらい強力な毒がアオブダイにも含まれているのです。

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パリトキシン様毒の症状とは

では、具体的にパリトキシン様毒が体内に入るとどのような症状が出るのでしょうか?

現在分かっている症状を以下にまとめてみました

  • 激しい痛みを伴う筋肉痛
  • 黒く褐色した尿が出る
  • 呼吸困難・歩行困難を伴う
  • これら症状が発症するまでの潜伏期間は食べてから12時間~24時間と結構長いのも特徴です。

    そして、発症してから急激に重篤化してしまうことから、発見が遅れて死に至ってしまうケースがあるのです。

    アオブダイの食中毒を防ぐ方法はある?

    stop

    食中毒にならないためには食べないのが1番なのはすべてに共通していること。

    それはアオブダイでも同じことですが、厄介なことにパリトキシン様毒は現在のところ解毒方法はありません。

    なので、アオブダイに関して言えば「食べないこと」が絶対条件です。

    しかし、ここまで解説してきたように捌いてしまえばアカブダイもヒブダイもアオブダイも見た目は区別できません。

    そのため、

    予防法の最善策といえばブダイの内蔵は食べないようにすることですね。

    とはいえ、アカエラブチャーやイラブチャーはクセはあるけど本当に美味しい魚なんですよ。

    なので、ブダイだからといって、必ず毒があるもの!と単純に思うのだけはやめてくださいね^^;