温暖化の影響で、毎年夏になると決まってニュースで話題になるのは水不足。
とくに関東方面の水不足は年々深刻さを増している状況に感じますよね。
そうしたニュースで、よく耳にする単語が「取水制限」です。
この取水制限とは一体どういうものなのか説明できますか?
トクする君は、なんとなく言葉尻から、水をくみ上げるのを少なくすることだろう位しかわかりませんでしたが、
実際調べてみると、なるほどそういうことかと納得できました。
取水制限と似た言葉で給水制限もありますが、その違いを理解することで日頃からの節水への意識が変わります。
出来るだけわかりやすくまとめましたので、あなたも取水制限という意味を理解して水の大切さを再認識していきましょう!
取水制限とは何か?
取水制限とは、まとまった雨が少なかったりしてダムなど水を蓄えている施設の貯水量が決まった量よりも少なくなってしまったとき、
河川からの水を取る量を減らすこと
を言います。
私達が普段何気なく口にしている水道水は、ダムから河川に放流され、それを浄水場できれいにしてから水道の蛇口を通ってやってきます。
小学校の時に習って以降、すっかり忘れてしまっている方でしたら、へえ、そうだったっけと思うかもしれませんね^^;
恥ずかしながら、私もその1人です(苦笑)
この浄水場が河川から取る水の量を制限するのが取水制限というわけなのですが、
なぜ取水制限が起こってしまうかといえば、天候や気候が大きく関係しています。
そもそもダムの水はどこから水を得ているかというと、雨水はもちろん、山からの雪解け水です。
節水しましょうと言われるのは毎年夏時期が盛んなので、つい梅雨時期や夏にまとまった雨が降らないことが影響だと思ってしまいますが、
実は前の年に雪があまり降らず、山からの雪解け水が少ない時の影響もダムの水位が下がる原因となります。
取水制限がされたからといって、河川から取る水の量をグンと一気に減らすというわけではなく、初めは全体の10%程度から始まります。
この取水制限ですが、私たちが一番気になるのは日常生活にどんな影響があるかですよね。
取水制限されることによって一般家庭にもたらされる影響は、実際に水の量が減らされるというよりかは、
水道の水の出方の勢いが少し弱まる程度
とです。
そう言われると生活に支障が出るんじゃないかと不安になりますが、10%程度の取水制限ではあまり普段とは違いが分からないレベルなんですね。
でも、1994年に30%の取水制限が行われた際には、学校のプールが中止されるなどの大規模な影響があったこともありました。
ちなみに、誰がこの取水制限するか否かという重要な決定をしているかというと「渇水連絡協議会」という機関になります。
ダムを管理している国土交通省や地方整備局、各県の水道局などが合体した機関で、情報交換をしつつ連携を取って取水制限の是非を話し合って決めています。
取水制限と給水制限の違いとは?
水道水の勢いが少し弱まる程度なら、生活する上ですごく不便ということはありませんが、
貯水量が極端に少なくなって危機的状態に陥った場合は取水制限から「給水制限」
に引き上げられることがあります。
取水制限が浄水場が河川から取る水の量を減らすことだとすると、給水制限は浄水場から各家庭に送られる水の量を実際に減らすことにあたります。
給水制限の方法にはいろいろありますが、主な方法としては
- 減圧制限…水道の水圧を下げて蛇口から出る水を少なくする
- 時間給水…一定の時間を決めて水道を断水する
といった措置がとられます。
給水制限が実際に適応された例で有名なのが、遡ること1964年の「東京オリンピック渇水」です。
平年の30%程度しか降水量がなく、東京の人口が爆発的に増え、水の使用量も比例して増えたことも相まって、513日間の長きに渡って50%もの給水制限がありました。
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過去5年間の取水制限と給水制限の事例
東京オリンピック渇水の当時は、首都圏の水を支えるダムも現在に比べて少なかったということですが、時代が移り変わってからはどうなのでしょうか。
過去の取水制限と給水制限の事例にいて調べてみました。
2012年9~10月
関東の1都5県でにかけての23日間、10%の取水制限がありました。
この年は降水量に恵まれず、利根川上流にあるダムの貯水量が41%まで落ち込んだため、11年ぶりに取水制限に踏み切ったそうです。
このときは取水制限の期間中に数日雨が降って、一時的に取水制限を解除することもあったようですが、23日間、取水制限が行われていました。
2013年7月
同じく関東の1都5県で10%の取水制限がおこなわれています。
2016年6月~9月
まさにこの記事を書いていた年ですが、前年の積雪量の少なさと、その年の降水量が少なかったことが原因で、6月から関東と四国を中心に取水制限が行われました。
先に1994年の取水制限の時の例を挙げましたが、それに匹敵する、もしくはそれを上回るくらいの水位の減少が観測されたそうです。
その後、8月後半に台風などが繰り返しきて、まとまった降水量に恵まれたため取水制限は9月に解除され、2016年の11月には、平年の75%程にダムの水位が回復しました。
こうしてみてみると、首都圏では数年に1回くらいの割合で取水制限が実施されていることが分かります。
日頃から節水に心掛けて、社会全体で水不足をなくそうに努めていきたいですね。
私達が水不足を防ぐために出来ることといえば、
- お風呂の時にシャワーを出しっぱなしにしない
- 洗濯はお風呂の残り湯を使う
- 水道の蛇口をしっかりと閉める
くらいしかできないと思うかもしれません。
でも、1人1人がちょっとしたことを意識するだけで、塵も積もれば山となるのは間違いありません。
天気のことはどうにもできませんが、水や電気は限りある資源だと捉えて、少しでも節約していきましょう!