御嶽山(おんたけさん)の噴火と言えば、あなたの記憶にまだ鮮明に残っているかもしれませんね。
2014年9月27日11時52分頃、7年ぶりに噴火したこの山は、当時登山中だった多くの方の命を奪いました。
死者57人、行方不明者6人、負傷者68人
と1991年に噴火した長崎県の雲仙普賢岳の犠牲者43人を大きく上回り、
登山者が巻き込まれた噴火としては明治以降、最悪となる災害となってしまいました。
最近では、御嶽山に関する情報を全国ニュースや新聞では耳にする機会はなくなりましたが、入山規制等はどうなっているのか。
今回はそんな御嶽山の現在(いま)と火山大国である日本の現状について考えてみました。
御嶽山(おんたけさん)のことをどのくらいご存知でしょうか?
噴火が起こるまでは周辺にお住まいの方か登山好きの方でなければ馴染みのない方も多かったのではないでしょうか。
かくいうトクする君も知らなかった一人です。
【御嶽山周辺地図】
御嶽山は長野県木曽郡木曽町・王滝村と温泉で有名な岐阜県の下呂市・高山市にまたがっており、
日本国内で標高3,000メートルを超える山としては最も西にある標高3,067メートルの山です。火山としては富士山の次に標高が高い山でもあります。
また、登山客だけでなく冬のシーズンにはスキー場にも多くのスキーやスノーボードを楽しむ山としても知られていました。
噴火以来、初の冬の営業が懸念されましたが、2015年2月26日に多くの支援者の後押しでおんたけ2240スキー場は無事営業再開をすることができました。
こうした自然災害は観光・レジャー産業は大ダメージを受けることは避けられませんが、本当に早くスタートを切れたことは良かったと思いますし、頑張って欲しいですね。
御嶽山噴火の原因や規模を改めて振り返ってみる
この御嶽山は活火山ではあったものの、なぜ突然噴火したのか。
こちらはご覧になったことがある方も多い噴火直後の映像になります。
まるで映画のワンシーンのように立ち上がる噴煙は、あっという間に空を飲み込み、漆黒の世界へと変化させました。
この突然の噴火の原因については、当時も盛んにこのさまざまな専門家が分析されていましたよね。
直前まで噴火の原因となる地殻変動や火山性微動はなかったですが、火山性地震は1ヶ月前から起きていたということ。
しかし、統計上では噴火がすぐ起きるようなレベルではなかったことは明らかですので、判断は難しく誰を攻めるということはできませんでした。
実際に噴火の規模としては火山学上では小さかったですし、水蒸気噴火と言って雲仙普賢岳のようなマグマ噴火と違い火砕流を起こすものではなかった。
そのため、麓に暮らす方々の命を脅かすには至りませんでしたが、
すべての悪条件が重なってしまったということだったのです。
スポンサーリンク
御嶽山の現在(いま)はどうなっているのか?
このような突然の噴火から、この記事を書いているのは約半年たった現在(いま)となりましたが御嶽山の状況はどうなっているのか。
気象庁の発表によると噴火警戒レベル3。この警戒レベルはトクする君が住んでいる鹿児島の桜島や開聞岳と同等です。
平成27年6月26日以降、記事更新日の平成29年1月26日現在に至るまで噴火警戒レベルは2となっています。
御嶽山には8つの登山道入り口がありますが、すべて入山規制がされています。
※現在入山規制から火口周辺規制に引き下げられていますが、火口周辺の市町村では入山規制の警鐘している状況です。
火口から約3キロ付近には噴石や火砕流に警戒する必要がありますよということではありますが、2014年9月27日と同程度、あるいはそれ以上の噴火の可能性は低いという判断です。
平成29年8月21日の気象庁の発表で噴火警戒レベル1に引き下げられました。
2017年7月の調査時点で噴煙や火山ガスの増加は見られなかったこと、火山活動の沈静化から、噴火の可能性は極めて少なくなった事から、警戒レベルは最も低いレベル1となりました。
ただ、正に2014年のような突発的な噴火の可能性がゼロになったわけではありませんので、周辺の地域では火山との共存が引き続きテーマとなりますね。
トクする君も桜島や開門岳の動向は、ローカルニュースの天気予報で毎日放送されていますからね。
日本全国にある活火山って?注意しておくべきポイントとは
地震大国のみならず、火山大国である日本。御嶽山のように突然の噴火が起こりうる山は他にもたくさんあっても不思議じゃありません。
あなたもご存知かと思いますが、火山活動が見られる山、つまり噴火が確認されている火山を活火山と言いますね。
それに対して現在は噴火はしていないけど過去噴火したことのある山を休火山、噴火の記録がない火山を死火山と記憶しているのではないでしょうか。
でも、実は活火山の定義はかなり以前から変わっており、休火山や死火山という言葉は今ではほとんど聞くことはなくなってきました。
しかし、火山の活動の寿命は長く、数百年程度の休止期間はほんのつかの間の眠りでしかないということから、噴火記録のある火山や今後噴火する可能性がある火山を全て「活火山」と分類する考え方が1950年代から国際的に広まり、1960年代からは気象庁も噴火の記録のある火山をすべて活火山と呼ぶことにしました。
(引用元:気象庁-活火山とは)
そのため、現在の活火山の数は110という非常に多い数字となっています。
ただし、その中でも今後100年程度で噴火の可能性や被害が考えられる火山は47に絞られています。
たびたび世紀の大噴火のことが話題に登っている世界遺産の富士山もこの1つです。
山と共存して生活をしなければいけない日本にとって、噴火による災害は四六時中気にしつづけるわけにはいきませんが、
自分が住んでいる地域にある山々は一体どうなのか?少なくとも知っておくべきことが万一の備えにもつながります。
また、登山が好きな方は尚更ですよね。幸か不幸か今回の御嶽山の噴火によって登山に対する備えの意識は強化されました。
しかし、時間が立てば記憶も注意も次第に薄れていってしまうのが人間の性であるのもまた事実。そんな時は、ふとこの記事を思い出して頂ければ幸いです。