ニュースでよく耳にするワード「赤字国債」

国債って、なんとなく借金だということは分かるけど、詳しくどんなものか分からないものですよね。

良くないものだというイメージはつくのですが、今後私たちの生活にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

赤字国債とその影響について調べました。

国債ってそもそも何?

akajikokusai

国債とは「国庫債券」の略で、国が発行する債券です。

債券というのはそもそも、借金をする代わりに、利息や満期になったときにお金を受け取る権利を券にしたものです。

自分が銀行へお金を借りに行くときのことを想像すると、銀行からお金を借りたら、利息を払わなければならなくなりますね。

その逆で、

「国が借金を申し入れてきて、自分がそれを承諾してお金を貸す。もちろん利息をもらう」

というイメージです。

実際には、国の人が直接個人にお金を貸してほしいと家に来るわけではなく、銀行や証券会社などの金融機関がまとめて国債を買い、それを更に個人が購入します。

「購入」というと不思議な感じがしますが、実際には国の借金を承諾したという感じです。

「国債は国の借金を買うってものなのはわかったけど、それってメリットあるの?」

という気がしますね。もちろんあります。

まず、普通の国債なら、年に2回利息が支払われます。

それから、満期がきてお金を返してくれることを「償還」といいますが、その時には元本(もともと貸し付けたお金)はまるまる返ってきますし、利息をつけて返してくれます。

例えば株とかだと株価の変動があって、儲けられることもありますが、逆に損をすることもありますね。

国債は元本が必ず返ってくるし、利息もつくのでその点は安心して購入することができるのです。

ただ、残念ながら長引く不況のせいで、国債の利息は雀の涙で、まさにローリスクローリターンの状態です。

とはいえ、少しでも利子がつくなら、国債を購入するのも、選択肢としてはありなのかもしれませんね。

赤字国債と建設国債の違いって?

国債の意味は分かった所で、じゃあ、そもそもなぜ国債が必要かという話をしていきましょう。

身にしみて感じていると思いますが、長年に渡って日本は不況に見舞われていますね。

本来、国がお金を投じて道路や建物などを作ったりといったことは、税金を使えばいいはずですが、

その国民から集めた税金だけではまかなえなくなっている

これが日本の現状です。

そのため、消費税も3%から8%に、そして10%の引き上げも目前に迫っていますが、

こうした税金を引き上げることは、反対意見がたくさん出るので、簡単に引き上げを決定することはできません。

そこで、国がお金を持っている国民から借金をして、予算をまかなうという国債が登場してくるのです。

国債には大きく分けると「建設国債(普通国債)」と「赤字国債」があります。

建設国債とは?

財政法では「基本的に国の財源は借金(国債や公債、借入金)を財源としてはダメ!」という旨が決められていますが、例外的に建設国債は発行しても良いということになっています。

この建設国債は、「公共事業などにあてるための国債」です。

「建設的」なんて表現を良く日常会話で使いますが、公共施設や公共事業を行うために国債を集めて、その事業のために使用すれば、

国民にとっては役に立つものですし、長くその施設を使うわけで、未来に対する建設的なお金の使い方と言えますね。

赤字国債とは?

一方、赤字国債とは

「国の一般会計の歳出と歳入が大幅に違ったとき、それを補てんするために発行される国債」

になります。

つまり、通常通り国を運営して、足りないお金が発生したから、その分をまかなう目的で発行されるのが赤字国債です。

ちょっとわかりずらいかもしれませんので、私達の生活に落とし込んで考えると、

建設国債=「借金をして家を建てて、子供たちに残せるようにしよう!」

赤字国債=「今月の生活費が足りない。知人や消費者金融からお金を借りよう」

このように普通に生活を営むためにお金を人から借りたら、まぁその月は暮らせますが、後には借金しか残りませんね。

これを国の運営に置き換えたのが赤字国債と思ってください。

この赤字国債の発行は日本では法律上認められていないので、その年ごとに国会で特例を制定して事実上の赤字国債を発行します。

「毎回、特例特例っていって発行してたら、特例じゃないじゃん!」

という声も聞こえてきそうですが、実際はそうなっているのが日本社会なんですね^^;

一般家庭なら節約やら我慢やらでなんとかなる問題も、国という大きなものだと、なかなか赤字国債をなくすのは難しいことなのです。

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赤字国債の残高は今どのくらいなのか?

はじめて日本が赤字国債を発行したのは1965年にさかのぼります。

その後は、10年後の1975年に石油危機(オイルショック)がやってくるまでは、赤字国債を発行しませんでした。

実は1973年~1989年の高度経済成長期とバブル景気の間も、ほぼ毎年特例法を制定し、赤字国債を発行し続けました。

その後、1990~1993年のバブル崩壊期は、バブル経済によって安定した税収があったので赤字国債を発行しませんでしたが、

1994年辺りからまた、毎年のように赤字国債を発行し続け、今に至ります。

こうしてみると、赤字国債がない年の方が少ないですね…。

こうして繰り返し繰り返し、足りないお金を赤字国債で補てんしていたら、当然たくさん借金がかさんでしまいますね。

財務省のホームページによると、国債の残高は平成29年度の見込額が約865兆円に上るとされており、

その内、赤字国債は558兆円

となっています。いやあ、何だかすごい金額ですね^^;

この国債の865兆円を国民一人当たりに割り当てると、約688万円です。

「こんな金額一人で払えるわけないじゃん!」と、叫びたくなるのも無理は無い。

普通に考えると、

国債を発行し続ければ、日本が破綻してしまうのではないか?

と思ってしまいますが、これについては経済学者の間でも意見が分かれています。

「いずれ日本もギリシャ経済のように崩壊を迎えるだろう」

「日本の国債は、ほぼ国内のものなので、海外からたくさん借りているわけじゃないし大丈夫」

「この借金を返すためには税金を25~35%にしなきゃ無理」

「日本は他の国の国債をいっぱい買ってるから、それを返してもらえば大丈夫」

このように、賛否両論、本当にいろんな意見があります。

経済学者で、これだけ意見が割れちゃうくらいの額であることは確かですね^^;

余談になりますが、国債とは国の発行する債券と書きましたが、「券」のようなものが渡されるわけではありません。

実際はデジタル化に伴って、紙で発行されるわけではなく、金融機関の口座上でデータ管理されています。

ですので、なくしてしまったり、火事で焼けてしまったりということもありません。

少し話がそれてしまいましたが、これからの私達ができる事と言えば、

国債やその使い道を理解し、景気の動向をおさえつつ、自分にあった消費や投資の方法を考えること

が必要ですね。

ぜひ、この機会に国債について理解して、経済動向を見守りましょう!